Truth In Fantasy 19
 占術 −命・卜・相−
 水晶占い
イラスト
霊的資質を必要とする占い
 水晶占いは分類として「内的直感による占い*1」に分類されます。
 これはごく一部の専門家のみが行える占いであり、術者ごとにさまざまな手法、暗示があります。

 これら水晶を用いた占いすべてを総称してクリスタルゲ―ジングまたはクリスタルロマンシーと呼びます。
 水晶占いの手法は、大きくふたつの分野にわけることができます。
 ひとつはスクライイングと呼ばれ、水晶に映るはずのない遠距離の映像や隠された映像、過去や未来の映像が、断片であれ具体的に浮かび上がるものです。これは占いというよりも、むしろ水晶という道具を使って行う透視といえます。

 もうひとつには特に名前はついていません。不完全な絵や記号などのなんらかの暗示を水晶に映し、それをヒントに当事者の運勢や運命を推測するという、いわゆる水晶占いの代表的な手法です。

 前者のスクライイングには、極めて特殊で高い霊感や資質が必要となり、後者では、あらわれた暗示を読みとる力が重要とされます(それでも高い霊感や資質は必要です)。
 この水晶球からの暗示の受けとり方には、ふたつの説があります。ひとつは水晶球を見続けていることにより精神を催眠状態に移行し、ふだんは表に出ることのない精神状態で啓示を感じるという説、ひとつは術者の問いかけに対する水晶球のかげりや変化を察知し、自己催眠に頼らずに答えを導くという説です。
 これだけでも、ふたつの説は対立しています。さらに、水晶占いを行う者の間で、どちらが正しいのか、長い間論争がなされています。
 もっとも、内的直感に分類される占いは、個人によって手法や得られる結論が違うものです。これらの説は、どちらも正しいと受けとっておくべきでしよう。

占いの道具〜水晶球
 一般的に水晶占いに用いる水晶球は、純粋で青か紫がかった直径5センチ以上の球体がよいとされています。
 しかし実際にこの条件を満たしている水晶は非常に高額であるため、透明ガラスで作られた球体を使用する占い師もいます。また水晶のかわりに水を注いだグラスや大きな瓶を用いる場合もあります。

起源と歴史
 水晶占いの起源については、詳しいことはわかっていません。
 しかし、水の輝きや炎の揺らめきなど、いわゆる幻影から吉凶を占う手法は、はるか古代からすでに世界各地で行われていました。これが後の水晶占いの原形になったことは間違いありません。

 道具を使用しての占いの手法としては、鏡占いが先に発生したとされています。ペルシアにあるケレスという寺院の泉で、人々が鏡を用いて占いを行ったという記録が『アカイア』の第7巻に残っています。これは、糸をつけた鏡を泉の中に沈め、鏡面に映った情景から病気の回復具合を読むというもので、鏡占いと水晶(水)占いの両方の性質を持っていました。

 後の12世紀のヨ―ロッパでは、観察者と呼ばれる者たちが鏡を月にかざし、映った月の姿から未来を占う手法が行われました。この占いの手法は、もともとユダヤ人の間で発祥したといわれています。
 また、水晶ではないものの、司祭など位の高い者が身につけている宝石(装飾品)から未来を読むという占いが発祥したのも、この時期からでした。

 水晶が占いに使われはじめたのは16世紀からです。
 153O年にニュルンべルグの僧侶が水晶の中に財宝とその隠し場所を見たという記録が、ド・ランクルの著書に残っています。ちなみに、この財宝探しの顛末については、発掘中に現場の土砂が崩れ落ち、僧侶がそれに飲み込まれてしまったので中断されたとのことです。

 この水晶占いが、ジプシ一たちの手によって西洋に運ばれ、17世紀頃のイギリスで盛んに行われました。
 当時は、現在のような正球体の水晶ではなくて、卵型の水晶が好んで使用されました。あらためて水晶を買うほどでもない庶民の間では、水晶のかわりに水の入ったコップが代用され、その中に6ぺンス銀貨を入れて未来を読んだとされています。

日本での水晶占い
 日本での水晶占いも歴史は古いのですが、くわしいことはわかりません。
 『日本書記』仲哀記には「神功皇后が長門(現在の山口県)の豊浦の津で如意珠を海中よりとられた」と記されています。この一文の解釈として「皇后が海にて水晶占いをしたことをあらわしているのではないか」という説があります。もし、それが事実なら、4世紀には日本でも水晶占いが行われていたことになります。

水晶占いの実践
 水晶占いは万人にできるものではありません。すべては個人の資質によります。日頃からカンのいい人や、虫の知らせをよく感じとれる人ならば、資質は十分にあると推測できます。
 ここでは、17世紀にイギリスで流行した基本的な水晶占いの行い方を解説します。

 この方法では、自分自身を占うことはできないとされています。したがって術者以外に占うべき相手がいることが前提となります。
 いずれにせよ、確実に暗示を読みとれるようになるには、何回も水晶占いを行って暗示と現i実を照らし合わせて訓練を続けるしかありません。まさに「習うより慣れろ」なのです。

  1. 術者、相手ともに占いを行う前には15分程度の瞑想を行い、完全な沈黙を守ります。占うべき事柄は、あらかじめ相手から聞いておき、基本的に術者が水晶に語りかけます。占う相手は、何も考えず、心を空にしなければなりません。
  2. 術者に資質があれば、ここで水晶球に何らかの変化が起こります。どう変化するのかも、術者の資質により千差万別です。何かの視覚的イメ―ジがあらわれたのなら、術者はそのイメージがどんな意味を持つのかを判断しなくてはなりません。記号や暗号のようなイメ一ジがあらわれた場合は、その記号がカバラ的意味あいを持っていることになります*2。この場合は、記号をメモして、あとで改めて解読します。
*1 内的直感による占い:l965年にフランスで出版された『Encyclopedie de Divination Tchou(占い百科事典)』での分類。この本では、世界中で行われている292種類の占いをとり上げ、区分している。
*2 記号や暗号のようなイメ―ジ……:真実を暗号に置きかえる手法は、神秘学の世界ではよく行われる。特にカバラの秘法が聖書などに暗号で隠されているという話は有名。水晶占いでは、神託あるいは占者の深層意識がある特定の意味を持った記号として出現することがある。詳しくは「カバラ数秘術」(56P)を参照。



Truth In Fantasy 19
占術
−命・卜・相−
占術隊 著  高平鳴海 監修
本体1748円 A5判 260頁
ISBN4-88317-260-0 1995年10月26日

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